ガス腹によって「おならがよく出る」❗
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ガス腹によって「おならがよく出る」という症状が起こります。患者さんの中には「おならが止まらない」と訴える方もいます。ガスがたまりすぎると、おなかがパンパンに張ってしまうし、出るガス(おなら)も臭くなります。また、臭いガスにはニトロソアミンなどの発ガン物質が含まれており、大腸ガンの原因になります。ここでは、ガス腹を改善して、おならの悩みを解消する方法をご紹介します。【解説】後藤利夫(新宿大腸クリニック院長)
なぜおなら(ガス)が出るの?なぜ臭いの?
ガスを作るのは「腸内細菌」
おなかにガスがたまると、苦しいですね。たまりすぎると、おなかがパンパンに張ってしまうし、出るガスも臭くなります。また、臭いガスにはニトロソアミンなどの発ガン物質が含まれており、大腸ガンの原因になります。
なぜ、おなかにガスがたまってしまうのでしょうか。
ガスを作るのは、大腸にいる腸内細菌です。食べ物が大腸に入ってくると腸内細菌が分解しますが、前半部分の上行結腸辺りでは善玉菌が多く、炭水化物などを分解してガスが作られます。このガスは臭いがなく、毒性もありません。むしろ、腸を刺激して、腸の蠕動運動(内容物を先へと送り出す腸の働き)を活発にしてくれます。
ガスを作るのは、大腸にいる腸内細菌です。食べ物が大腸に入ってくると腸内細菌が分解しますが、前半部分の上行結腸辺りでは善玉菌が多く、炭水化物などを分解してガスが作られます。このガスは臭いがなく、毒性もありません。むしろ、腸を刺激して、腸の蠕動運動(内容物を先へと送り出す腸の働き)を活発にしてくれます。
悪玉菌が臭いおなら(ガス)を発生させる
「腸が下垂」すると便秘やガスが溜まる
S状結腸や横行結腸に下垂やねじれが起こる
便秘やガスが溜まる原因に「腸の下垂」があります。大腸はおなかを一周しており、直腸、上行結腸、下行結腸の3ヵ所で固定されています。
横行結腸や肛門に近いS状結腸は、体内で固定されていません。そのため自由に動き、横行結腸がハンモックのように下垂したり、S状結腸がねじれてループを作るようになったりすることがあります。すると、腸が長くなって便が移動しにくくなり、便秘しやすく、ガスもたまってきます。
横行結腸や肛門に近いS状結腸は、体内で固定されていません。そのため自由に動き、横行結腸がハンモックのように下垂したり、S状結腸がねじれてループを作るようになったりすることがあります。すると、腸が長くなって便が移動しにくくなり、便秘しやすく、ガスもたまってきます。
腸が下垂する原因は、加齢や運動不足
腸が下垂する理由はいろいろありますが、その多くは加齢や運動不足による腸の筋肉の衰えが原因です。
腸管には平滑筋という筋肉があり、この筋肉が蠕動運動をして便を押し出しています。ところが、平滑筋が衰えると、腸がだんだん薄くなり、伸びて垂れ下がってきます。腸が薄くなると動きも悪くなるので、さらに便秘しやすくなります。
腸管には平滑筋という筋肉があり、この筋肉が蠕動運動をして便を押し出しています。ところが、平滑筋が衰えると、腸がだんだん薄くなり、伸びて垂れ下がってきます。腸が薄くなると動きも悪くなるので、さらに便秘しやすくなります。
腹筋が弱い人は、腸も垂れている?
私はこれまで4万人以上の方の腸を見てきましたが、腸の薄い人は大腸内視鏡で見ると、裏側にある肝臓や脾臓が透けて青く見えます。それくらい薄くなってしまうのです。
また、腹筋の強さと腸の筋肉は相関関係があり、腹筋が強いと腸も強く、下垂しにくいようです。反対に腹筋が弱い人は、腸が垂れておなか(下腹部)がぽっこりしています。
また、腹筋の強さと腸の筋肉は相関関係があり、腹筋が強いと腸も強く、下垂しにくいようです。反対に腹筋が弱い人は、腸が垂れておなか(下腹部)がぽっこりしています。
正常な腸と下垂した腸の違い
●正常な大腸
●下垂した大腸
臭いおなら(溜まったガス)を出す対策は「スー出し体操」
「ひねる」ことでガスを出やすくする
下垂した腸を元に戻し、腸の動きをよくするには、腹筋を鍛えるのが一番です。とはいえ、腹筋運動は大変です。そこで皆さんにお勧めしたいのが、たまったガスを抜く「スー出し体操」です。
これは、あおむけに寝て、おなかをひねる体操です。腹筋を鍛えるものではありませんが、ひねることで便の通りの悪いところが解放され、ガスが出やすくなります。
これは、あおむけに寝て、おなかをひねる体操です。腹筋を鍛えるものではありませんが、ひねることで便の通りの悪いところが解放され、ガスが出やすくなります。
コツは深く息を吐きながらゆっくり行うこと
コツは、深く息を吐きながら、ゆっくり行うことです。大腸は自律神経(意志とは無関係に内臓の働きを支配している神経)のうちの、心身をリラックスさせる副交感神経に支配されています。
ですから、ゆっくり行うことで副交感神経が刺激され、大腸の働きがよくなります。また息を深く吐くことで横隔膜が動き、腸が刺激されます。
ですから、ゆっくり行うことで副交感神経が刺激され、大腸の働きがよくなります。また息を深く吐くことで横隔膜が動き、腸が刺激されます。
ウォーキングや食物繊維の摂取も効果的
同じ効果を得られるものに、ウォーキングがあります。歩く目安は1万歩です。歩く振動が腸を刺激して、おなかの動きがよくなります。この1万歩歩きも、ゆったり歩くと効果的です。
それと並行して、食物繊維を取ることも忘れないでください。食物繊維は善玉菌のエサになり、便の材料にもなります。ただし、便秘のひどい人がいきなり食物繊維を食べると逆効果です。少しずつ、食べる量を増やしていくといいでしょう。
それと並行して、食物繊維を取ることも忘れないでください。食物繊維は善玉菌のエサになり、便の材料にもなります。ただし、便秘のひどい人がいきなり食物繊維を食べると逆効果です。少しずつ、食べる量を増やしていくといいでしょう。
便やガスが出やすくなる「スー出し体操」のやり方
【ひざ倒し】
①あおむけに寝て、ひざを立てる。
②口からゆっくり息を吐きながら、両ひざを右側に倒していく。両肩はしっかり床に着けて、ひざが倒れるところまで倒す。
③左側も②と同様に行う。
※②から③を20回くり返す。
③左側も②と同様に行う。
※②から③を20回くり返す。
【ひざ抱え】
①息を吐きながら、両ひざをおなかのほうに引き寄せ、両腕で抱え込むようにギュッと抱く。
②息を吸いながら両腕をゆるめる。これを5回くり返す。
②息を吸いながら両腕をゆるめる。これを5回くり返す。
引用:ケンカツ!
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